2016年11月24日木曜日

11月定例会のご報告

みなさん、こんにちは。
にいがたファシリテーション授業研究会、学生スタッフの角野仁美です。

最近は雨風が強く、今年の初雪はいつだろうとドキドキしています。
寒さが益々厳しくなってきました。皆さま、くれぐれもご自愛くださいね。

さて、11月のわくドキワークショップ(定例会)のご報告です。


11月のテーマは、
「学校ファシリテーション あるある相談室」。

学校現場でファシリテーションの考え方やスキルを活かした
授業づくりや取り組みは定着しつつありますが、
それぞれの現場で「実践しているからこそ」見えてきた課題や
疑問、いきづまっている壁…も同時に生まれています。

今回は、ファシリテーションを導入して今年で6年目である新潟市立濁川中学校の、
倉島庸子先生をゲストにお迎えし、実践事例を発表していただきながら、
先生が感じられている課題や不安なこと、今の悩みについても共有いただきました。
そして後半は、それらの問いに対してグループに分かれ全体で知恵を出し合いました。

では、内容を簡単に振り返っていきます。


今回は、学校関係者の方々を中心に、企業やNPOの方など、多様な19名の
方々が参加してくださいました。
ということで、まずはチェックイン。
立ち上がって2人ペアをつくり、それぞれがファシリテーションに関して
もやもやしていることや壁だと思っていることについて、ちょっぴり共有し合います。

その後、全体でもそれぞれが抱えているもやもやを共有しました。
★今回は、青陵大学さんの教室に完備してある「インタラクティブ ホワイトボード(電子黒板)」を使って、ファシリテーショングラフィックを描かせていただきました。
岩崎先生、ありがとうございます!^^ (http://www.ricoh.co.jp/iwb/)


その後、倉島先生から濁川中学校の実践発表をしていただきました。
特に、倉島先生自身が今年取り組まれた
「地域貢献活動」の実践と、職場体験活動における活用について
中心的にお話いただきました。


 地域貢献活動は、まさに地域の方と一緒につくり上げた活動。
 中学生が、午前中の地域での清掃活動の後に、地域の人と一緒に昼食を食べ、
 その後、午後から「地域のために私たちができることは?」というテーマで
 地域の人と一緒にワールドカフェ形式で考えを深め合うという活動です。
 学校での事前・事後指導の設計から、当日のプログラムデザイン、
 地域教育コーディネーターさんとも協力して行った地域の方々とのやりとりについてなど
 様々なお話を聞かせていただきました。
 このように、地域に出て、地域の方々と、地域の一員として、
 人と関わっていく力を育んでいくためにも、ファシリテーションで多様な意見を認め合ったり
 お互いを尊重したりすることが大切なのだと改めて思いました。

 



また、職場体験学習の学びを深め、個に落としていくための
「事後学習」についての実践もご紹介いただきました。

体験発表のみに終わらず、その後えんたくんを使って
「働くために必要なことは何か?」というテーマで
保護者や体験先の事業所の方も巻き込んだグループワークを行い、
話し合いで得たことを個々の「ステップアップカード」というワークシートに
記入していく流れをお話いただきました。


そんな倉島先生が感じていらっしゃる悩みとして、以下の3つを共有いただきました。

①ファシリテーションやグラフィックの技術を、どう子ども達に指導していけばよいのか?
   そもそも、教員もあやふや…子どもたちが目指していく姿は?
②ファシリテーションの活動の運営面について
  教員間での理解や方針の相違をどう乗り越える?/FTの現場での生徒との関わり方について  
③効果的な収束のさせ方は?(個に返していく方法について)
  話し合ったり生み出したものを、次に生かしていくためには?

後半は、それぞれ3つのグループに分かれて
問いについて知恵を出し合う時間となりました。


それぞれのグループで、
悩みが深まったところもあれば、様々な切り口から
深められたところもありました。

③のテーマについて話し合ったグループでは、

・そもそも、「個にかえす」をどうとらえるのか。
・個に返していくためには、「何のために」の部分が子どもたち自身から
生まれていている状態じゃないと、活動を自分で振り返ることができないのでは。
(やらされている活動で、自分に学びを落とし込んでいくのは難しい)
・思考の深まりを可視化し、さらに深めていくポートフォリオ等が必要

このような意見が発表されていました。

最後、チェックアウトの後に倉島先生からは
「子どもたちのことが置き去りになっていたかも・・・。
ツールやスキルにこだわりすぎるのではなく、
目の前の子どもたちと向き合う中で、今後も模索していきたい!」
というコメントをいただきました。

そうですよね。
ファシリテーションの考え方やスキルで大切なのは、
目の前の人と自分がどう関わっていくか
どう共に在るかという部分ですよね。
そんな自分の「あり方」を見つめなおすところから
子どもたちと一緒に問うことができたらいいなぁと、
私も改めて思いました。

倉島先生、参加者の皆さま方、
学び深い時間をありがとうございました!!
次回もお楽しみに♪


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■テーマ:「学校ファシリテーション あるある相談室」

■日時:2016年11月14日(月)

■場所:新潟青陵大学 6号館

■ゲスト:新潟市立濁川中学校 倉島庸子先生

■参加者:19人

■内容:
・チェックイン
・事例発表
・グループワーク
・ハーベスト
・チェックアウト

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