2015年8月10日月曜日

2015年夏のファシリテーションセミナーのご報告

みなさん、こんにちは。
にいがたファシリテーション授業研究会、学生スタッフの角野仁美です。


大変遅くなりましたが、今年度の8月6日(木)に行われました
「2015年 夏のファシリテーションセミナー」のご報告です。


今年で5周年を迎えた夏のセミナーですが、5回目となる今年は、
「地域教育プログラムのつくりかた ~子どもが主役で地域を舞台にした授業をつくるには~」
と題して、これからの地域や社会を生き抜くこどもたちの力を、学校だけでなく地域とともに育てていくにはどうしたらよいのかを皆で探りました。

会場には、教員、行政、NPO、学生など、様々な立場の方が約65名集い、
今回ゲストには、学校と地域とともに子どもたちの地域への愛着を育む活動を進めていらっしゃる、近江正隆氏(㈱ノースプロダクション 代表取締役)を北海道からお呼びしました。

まずは、小見によるオリエンテーションとチェックイン。
会場の参加者同士が楽しく関わり合いながら、地域とのつながりについて考えを整理します。

場が温まったところで、青陵大学 岩崎先生によるオープニングスピーチ。
”「地域・家庭」が子どもの幸せの原点”ということや、ファシリテーションを用いた教育活動の効果を
データや根拠を示しながら、分かりやすくお話していただきました。




そして、まずはゲストによる基調講演。
近江さんより、「子どもを核とした学校や地域づくりのための仕組みやポイントとは」と題した
60分の講演をいただきました。





学校の教員と地域が連携・協働して取り組む「農村ホームステイ」「うらほろスタイル」という
2つの事業についてご紹介いただき、
特に子どもを軸として地域で取り組む「うらほろスタイル」の活動について、
その持続的な仕組みづくりに向けた課題や、地域がまとまるためのキーワード、
「地域とともにある学校づくり」に必要なことなど、様々な視点からお話いただきました。


10分間の休憩の後に、新潟での事例発表タイム。

事例発表①「地域を舞台に探求型学習~古町スイーツで商店街を元気に~」

新潟市立新潟小学校より、平成22年度に古町の活性化を目指して始まった
4年生による「古町スイーツ」の活動を中心的に紹介いただきました。

新潟小学校のとらえる地域教育プログラムとは、
「学校を含め、諸団体・関係団体が一つの輪となった『総合連携』を図った、
1年生~6年生までの、系統的な流れを含む教育課程」ということで、
学校も地域の一員として、それぞれが同じ立場で総合的に連携しながら
児童を育成していくことがポイントだと述べていただきました。



事例発表②「課題解決型キャリア教育の実践~アートの力で地域課題に挑戦~」

新潟市立内野小学校より、中学3年生が総合学習で
内野のまちを舞台に取り組んだ、課題解決型キャリア教育「アートdeチェンジ・プロジェクト」についてお話いただきました。

地域のリアルな課題の解決に向けて、生徒がリサーチ活動からプランニング、ポスターセッションまで取り組むことで、まちの変化を意識し、
その後に開催された「うちのDEアート」に生徒たちが具体的に関わる動きも見られました。



2つの事例発表の後は、わくわくプロアクションカフェ。
「子どもが主役で地域を舞台にした授業や地域教育プログラムをつくる」ワークです。
参加者同士で具体的なテーマを出し合い、テーマごとに話を深めました。


自分が取り組みたいテーマやプログラムがある人は、具体的に書きだします。

 

それを前に貼りだし、自分が書きだしたテーマについてそれぞれが説明を加えます。











それぞれのプレゼンが終わったら、テーマ出しをしなかった参加者は
出てきたテーマの中から自分も一緒に深めたいものを選び、グループをつくり移動します。
それぞれのテーマごとのグループに分かれたら、
「えんたくん」を使って話し合いがスタート。











その後、話し合ったことをミニレポートにまとめ、
プレゼンタイムに移ります。




他のグループの議論の内容にも触れることで、
沢山の学びや気づきがありましたね。



最後に、各グループのミニレポートを前に貼りだして
全体共有をしました。

「子どもたちの愛着というのは、それぞれの地域の”素材”につくのではなく
そこに関わる”人”につくのだと思います。」と、近江さんからコメントがありましたが
地域に資源が無いから、ということではなく
地域の資源を活かしながら、人との関わりをどう生み出し、
育でいくかがカギとなることを改めて実感した時間となりました。


最後に、ハーベストとして
セミナー全体を振り返ってみた感想や、
明日から自分が一歩踏み出してやってみたいことを
グループ内で共有しました。

【参加者の感想(一部)】(アンケート用紙より)
  • 「地域とのつながりで子どもを育てる」と考えたときに、子どもをどう育てたいかを地域と共有し、地域の特色やよさをよくとらえた上で、プログラム化していくことが大切だと思いました。
  • 今まで、目の前の子ども達にどこでも「生きる力」をつけていきたいと思って対峙してきましが、彼らがどこで生きていくかという「生かされる場所」という考えが欠如していました。目の前の忙しさや、学力という数値で測られるものばかりに目をとらわれてその先までのことを考えられていませんでした。
  • 幼~小~中~高の学校教育+社会教育を結び付けるツールづくりをしたい。
  • 近江さんの何を目的にとりくむのか(地域活性化は目的ではない)にすごく納得しました。そして学校としての芯をもつ必要性を感じました。
  • 意見交換(プロアクションカフェ)の時間がとても良かったです。これから地域と連携していく事業を進めていく際の参考をたくさんいただきました。ありがとうございました。


「〝協働″は必要性の中で生まれる」と近江さんは語ります。
人は自分1人で何でも出来る訳ではありません。
自分が出来ないことをきちんと認め、示し、お互いに補い合い、活かし合うこと。
それが協働の基礎なのだと学びました。

未来を担う子どもたちが、希望を持てる地域・社会づくりをするために、
多様な立場の人が補い合いながら、力を合わせていきたいですね。

特別ゲストの近江正隆さん、事例発表いただいた先生方、ご参加いただいた皆様、
改めて素敵な場を共につくってくたださり、ありがとうございました!

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