にいがたファシリテーション授業研究会の小見まいこです。
もうすぐ2012年も終わりますね。
みなさんはどんな1年でしたでしょうか。
<12月定例会の報告>
■日時:平成24年12月17日(月)19:00~21:00
■場所:新潟青陵大学 演習室
■内容:
ビジョンゲーム(創造性を引き出すワーク)
実践発表
・中学美術 共同制作におけるファシリテーション
・中学美術 中学生製作の映画上映、映画作りのプロセス
ふりかえり
■参加者:17名
今回は、子どもの創造性を引き出す美術教育でのファシリテーションがテーマ。
ということで、はじまりは「ビジョンゲーム」という
まちづくりの現場で活用されている手法からスタート。
「あなたの住みたいまち」
というテーマで
一人一枚ずつ選んできた写真を集めて、
グループで一つの物語をつくりました。
オチのあるグループもあり、
テレビ番組風に仕立てるグループもあり、
一人の青年の物語をつくったグループもあり、
内容も発表方法も多彩。
一人ひとりの創造性が少し開かれたでしょうか。いつもとは違ったそれぞれのユーモアや表現力が伺えた楽しい時間でした。
さて、本題の美術教育でのファシリテーションです。中学校美術の女性の先生方からの実践発表でした。
まずは、「共同作品制作の可能性」というタイトルでの発表です。
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「新潟市をアピールしよう」という授業での取り組みが印象的でした。ボール紙で立体作品(雪、ゆらぎ、万代橋)をつくって、新潟市の象徴的な建造物等で撮影する。その後、イメージが伝わっているか?道行く人々へリサーチ。最後には個人ポスターをつくって、いろいろなところに貼るなどの取り組みをされたそうです。
グループでの創作する際の話合いのプロセスは、一人ひとりのアイデアや表現が一つに形になっていくという、まさにファシリテーションのプロセスそのものですよね。
また、道行く人へのリサーチする、調べ学習をした後、伝わるようにポスター表現するなどは、聴く力、質問する力、表す力などまさに言語活動です。
今から10年以上の前の授業だそうですが、
熱心な先生方は生徒の気持ちに寄り添い、意欲を引き出す、
そもそもファシリテーター型教師なんだなと改めて気づかされました!
つづいては、美術の授業での映画制作についての発表です。
まずはじめに、中学3年生が撮影した映画を鑑賞。「中学生ってこんなこと考えているんだな 」「初々しい!」など感じつつ、最後は感動してホロっと涙が流れそうになりました。
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その後は、先生から映画製作の意義や流れなどについてのプレゼン。
映画製作の意義は、お互いの良さを見つける。苦手意識の克服につなげる。個人ではなし得ない活動を行うことにより、充実感・達成感を味わうとともに、多くの鑑賞者に美術の新たな支援を与えることだそうです。
出演者、監督や助監督、音声、撮影、脚本などたくさんの仕事があってはじめて完成する映画。そのプロセスには、話合い、合意、創造、葛藤、失敗などなど、たくさんのドラマがあったと思います。
映画づくりの成果としては、自己有用感の高まり、自ら考える力の向上、新たな気づき、自分の得意を活かした役割による自信の快復、人との関わりによる新たな長所の発見、相互理解の深まり、新たな気づき(メディア関連、協力・強調、地域の良さ)があったとおっしゃっていました。
二つの発表は「地域との関わり」が共通点。表現や関わり合いの中で、多様な価値観に出会い、いろいろな役割や働きに気づいていく。可能性あふれる美術教育の取り組みだと感じました。
終わった後はグループに分かれて、感想や気づきの共有。
率先して、ファシリテーショングラフィックを書かれる先生もいらっしゃいました。
「美術の授業だけでなく、学校課題の解決のための中核的取り組みになりそうだ」
「美術での関わりを通して、作り上げる楽しさ、表現する喜びを感じられそうだ」
「ぶれずにやり通している先生方がすごい」
「キーマンの先生が異動しても、その学校の伝統や文化として残ってほしい」
「地域への広がりも継続できたらいいですね」
などの感想が共有されました。
発表してくださったお二人、参加してくださったみなさん、
貴重な学びの機会をありがとうございました!!
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